風景の映像から何が思い起こされるでしょうか。
「沿岸部の風景」は、記録者が偶然出会った人びとの、巨大な重機では為し得ない、細やかな復旧作業を行うたたずまいや表情をとらえた作品です。泥をかく、掃除をする、花を植えるといった、自らの手で生活の場を取り戻そうとする人びとの姿が映し出されます。
また、「沿岸部風景記録」は、パノラマで撮影された景色が高さ2.4m、幅12mのスクリーンなどに投影される展示作品です。その前に立つ人は、視認できる範囲よりもはるかに広大な光景を体感することとなります。一見時間が止まった写真のようですが、しばらく観ていると、雲がかすかに動いていることに気づきます。
「3がつ11にちをわすれないためにセンター活動報告冊子(2015年2月発行 )」
「風景から思い起こす(p88-91)」の解説より