仙台市若林区霞目にある浪分神社、建立当時は現在の場所から500メートルほど南東の、今より海岸に近い場所にあったそうです。この神社は稲荷神社として建立された後、神社近くまで大津波に襲われたものの社前で波が二つに分かれて引いていき、それ以来波(浪)が分かれた神社、すなわち「浪分神社」の名で呼ばれるようになったという伝承があります。
この伝承の津波については慶長16年の津波(慶長地震津波)であるとされることが多いようですが、現在ではさらに前、平安時代の貞観地震の津波か弥生時代の津波まで遡る可能性も指摘されています。
神社の境内にある「浪分神社の由来」の説明。震災後の平成23年8月に新たに建てられ、歴史に残っている津波・洪水の被害が記されています。
(写真はすべて 2013年8月19日 宮城県仙台市若林区霞目2丁目15-37にて撮影)
【参考文献】
飯沼勇義著『仙台平野の歴史津波 巨大津波が仙台平野を襲う!』1995年、宝文堂