アメリカ、シアトル市にあるワシントン大学のアジア言語文学学科で、年に一度、4年生向けの日本語の授業を担当しているジャスティン・ジェスティ准教授(Justin Jesty)。昨年、わすれン!に視察に来られたご縁から、ジェスティ准教授が担当する上級日本語講座の学生チームによる「ワシントン大学翻訳プロジェクト」が始まりました。 このプロジェクトでは、日本語を学ぶ学生のみなさんが、わすれン!にこれまで寄せられてきた記事の英訳に取り組んでいます。
英語サイトに「3.11定点観測アーカイブプロジェクト」公開サロンの記録記事を公開しました。
■ This Floored Me More Than When I Felt the Earthquake at My House
自宅で地震にあった時よりへたり込みました
■ Realizing Nothing Would Get Moving If I Didn’t Bring Back the Right Information, I Went Out With My Camera
正しい情報を持ちかえらないと何も始まらないと思い、カメラを持って出かけた
■ I Started Taking Photos Again Because I Realized That the People Who Have Feelings for a Town and the People Who Lived There Need to be Doing the Documentation
街に想いを持っている人、住んでいた人が記録しなきゃいけないと思い、また撮影を始めました
■ I Knew I Should Take Pictures But I Don’t Recall Taking Any
撮らなきゃと思ったけど、私写真を撮った記憶がないです
■ The Demise of Homesteads
家屋敷(かやしき)の終焉 01
■ Ogatsu Journey, Part 2: “Beyond the Mountain Pass, a Slow Recovery”
雄勝の道ゆき2「峠の向こう、遅れる復興」
■ Ogatsu Journey, Part 3: “Beyond the Mountain Pass, Life Continues”
雄勝の道ゆき3「峠の向こう、つづく営み」
■ Being Unable to Get Food Gave Me an Opportunity to Think About My Life Up Until Then
食材が手に入らず、今までの生活を考えるきっかけに
■ There Was a Period of Time When I Had Quit. But Sometimes Now and Then I Still Take Pictures in the Same Places
食材が手に入らず、今までの生活を考えるきっかけに
和英訳を通して日本語の上級レベルの文法・語彙・表現を学ぶことが狙いのこの授業では、現代日本語で書かれているリアルな(日本人向けの)文書を「教科書」として使用しており、その意味で、今回「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の記録の読解と翻訳に取り組むことは、3.11以後の社会問題を当事者の視点や声を通して考察するきっかけともなり、言葉の切実さや、翻訳する際の心遣いの重要性などを実感する機会ともなると考えているようです。
わすれン!記録や証言を翻訳していただくことで、海外の方々に届く記録になるだけでなく、学生のみなさんにとってもよい経験になると嬉しいですね。
「ワシントン大学翻訳プロジェクト」
アメリカ、シアトル市にあるワシントン大学のアジア言語文学学科准教授ジャスティン・ジェスティが担当する上級日本語講座の学生チームが行うプロジェクトで、年に一度、和英訳授業を開き、センターが集める記録を英訳することによって貢献することを目的としています。
和英訳を通して日本語の上級の文法・語彙・表現を学ぶことがこの授業の目的で、「教科書」として現代日本語で書かれている本当の(日本人向けの)文書を使います。「3がつ11にちをわすれないためにセンター」が集める記録を学生に提供し、読解と翻訳に取り組んでもらうことによって、同時にいくつかの学びや気づきが得られるだろうと考えます。3.11以後の社会問題を当事者の視点や声を通して考察するきっかけともなり、言葉の切実さや、翻訳する際の心遣いの重要性を実感する機会ともなります。センターが集める証言の一部を翻訳することによってセンターの事業に貢献したいと考え、そうできれば学生にとっては教室内の「勉強」を超えたリアルな作用になるかと期待しています。