開設から満2年を迎えた「3がつ11にちをわすれないためにセンター(略称:わすれン!)」には、市民や専門家、当センタースタッフなど様々な立場の人びとが、個々の視点から記録してきた写真や映像や声が集まっています。報道やマスメディアとは異なるまなざしをもって記録され続けているこれらの資料を、教育の現場でも利活用しようという取り組みが始まっています。ここでは先行事例として、大阪府堺市立三国丘小学校における「わすれン!ウェブサイト」利活用の様子をご紹介します。
《1年間の取り組みの概要》
大阪府堺市立三国丘小学校では、平成24年度の6年生の「総合的な学習」において、1年間を通じ、東日本大震災をテーマとした独自の教育プログラムを展開しました。とくに2学期には「わすれン!」記録の利用を盛り込んだ取り組みを実施しています。
■1学期
震災による被害や復興の様子を調べ、伝え合うことで、被災地への感心や疑問を持つ
・震災発生から1年間の被災地の様子を知る。
・新聞やニュース映像等を基に、自分たちで調べ、発表し、意見交換する。
・夏休みの間に被災地のニュースを記録する。
■2学期前半
被災した人々がなにを求め考えて暮らしているかを考える
・「わすれン!」の記録(1)を視聴して現地の人々の声をきく。
・現地でボランティア活動をしてきた人々(三国丘小学校の先生など)の話をきく。
・上記で聴いた内容をまとめ、考えを発表し話し合う。
■2学期後半
被災した人々を「支える人々」がいること、物質面だけでない活動の多様性を知る。精神面での震災への備えを学び考える。
・震災で自分たちがどのような影響を受けたか考える。
・「わすれン!」の記録(2)を視聴し、各種支援活動の実際を知る。また、これからどうなってほしいかを具体的に考える。
・現地ボランティアから現地での支援活動の様子をきき、自分たちは何をすべきかを考える。
・「わすれン!」の記録(3)、「わすれン!」の記録(4)を視聴し、震災時に必要となる精神面での備えについて学び、常日頃の人づきあいの大切さを考える。
■3学期
震災を風化させないために、いま自分たちにできることは何かを考える。
・2学期に学んだことをもとに、6分野(募金/支援物資/防災グッズ/震災を伝えること/節電節水/東北物産についての調査と安全性アピール)に担当を分け、計画〜実行〜行動発表〜振り返りを行う。
・三国丘高校からの呼びかけで一緒に校区の防災マップを作成。