何気ない日常の風景。観光名所でも、地域行事が行われる場所でもなく、人びとが行き交い働き暮らす場所。震災前にはそうした「なんでもない」ひとコマが記録されることはそう多くはなかったでしょう。
区画整理事業のために失われゆく、仙台市宮城野区の沿岸部の様子を記録した人、東北各地を回る仕事の合間にまちの様子を撮っていた人がいます。
個人による継続的な記録行為により残されたこれらの写真群には、単なる日常の風景であることを越えて、被災前の地域の暮らしや文化について、その土地の人びとの記憶を継承する可能性があります。
「3がつ11にちをわすれないためにセンター活動報告冊子(2015年2月発行 )」
「日常の風景(p10-11)」の解説より