震災後、福島県浪江町や双葉町に通い続けてきた髙橋親夫さんは、人がいなくなったまちの風景の変化とともに、今なお残る子どもたちの暮らしの痕跡を写真に収めてきました。
(以下、記録:髙橋親夫)
2019年9月1日 浪江町立浪江小学校
2021年3月31日 浪江町立浪江小学校
2021年3月31日 浪江町立浪江小学校
2020年3月7日 福島県立双葉高等学校
2021年2月7日 福島県立双葉高等学校
2021年3月31日 浪江町立苅野小学校
2021年3月31日 浪江町立苅野小学校
2021年3月31日 浪江町立大堀小学校
2021年3月31日 浪江町立大堀小学校
2017年2月4日 富岡町
2020年3月7日 双葉町図書館
宮城県
2014年4月30日 仙台市立荒浜小学校
2015年10月3日 仙台市立中野小学校
2015年10月3日 仙台市立中野小学校
髙橋親夫「ここにいた時は子どもだった」
家族との幸せの中にあったその時の子どもたちの暮らしをそのまま残し、
あの時を境に、二度と戻ることのないものとしてつながりは断ち切られ、
ここから未来へと離されていった。
新しい土地での時間の中で、家族と共にその地でのつながりを育み、重ねられ、
おとなへと成長してきた。
今日もそれぞれの場所で未来への社会生活をおくっている。
あのことがなければここでの暮らしは継続し、
成長にともなう変化の波に日々に身を委ね、過ごしていっただろう。
あのことがなければこれらのものも、
住んでいた人々の手からはなれ放置されることはなかった。
そしてこれほど長い時間、歳月に曝されることなく、
当たり前のかたちで役わりを交代していたはずだ。
あのことが起きる前の楽しかった時の背景や、
その時の心の記録が今ここに残されている。
みんなで過ごしたここでの記憶は、
この子らのそれ以後の生きる原点になり、
時は日々積み重ねられているのだろうと、
ここにいた子どもたちに思いを馳せた。