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東日本大震災 山元町の記録「忘れまじ この悲しみを」アフタートーク 佐藤修一

星空と路(2021)

2021年3月10日から8月1日に開催した「星空と路」では、3月13日・14日の2日間、わすれン!参加者による記録映像の上映会を行いました。

3月13日10:30からの上映プログラムは「東日本大震災 山元町の記録 忘れまじ この悲しみを」。アフタートークでは制作者の佐藤修一さんが登壇し、映像が生まれた背景についてお話しいただきました。

(右)佐藤修一さん

 

東日本大震災により甚大な被害を受けた、宮城県亘理郡山元町。
今回上映した映像は、当時山元町にお住まいだった佐藤修一さんが、地震の直後からビデオカメラを回し、災害対策本部や避難所の様子を撮影したものです。混乱の中で災害対策本部がどのように機能し、情報が伝達されたのか。あの日尽力した人びとの姿が映し出されます。佐藤さんは、自らが被災して避難所に身を寄せながら、そこでの生活の様子を記録し続けました。

山元町は、震災直後に通信手段が寸断され、一時陸の孤島と化していました。町外に被害状況が伝わらず、報道機関が入るのも遅れたため、これらの記録は大変貴重です。

アフタートークでは、当時のことを多くの方に知ってほしいと映像をまとめられた佐藤さんの思いをうかがいました。上映会には、山元町にゆかりのある方々が多数来場され、貴重な記録を残した佐藤さんを労う姿が見られました。

トーク内容全文はこちら⇒ PDFファイルテキストファイル


【来場者のこえ】(上映会アンケートより)

・山元町の被災状況を初めて見ました。映像の大切さを改めて感じております。記録し続けて下さった修一さんに感謝です。

・山元町出身です。当日は仙台市で被災したため、震災当日の山元町の状況は全く分かりませんでしたし、こういった映像があまり存在していないように思います。この機会に当日の状況を知ることができ良かったと思います。混乱した状況、緊迫した状況がとても伝わってきました。小さな町なので、災害対応はどうだったのか不安もありましたが、協力し合っている様子、すぐに炊き出しが行われていたことに安心しました。大変貴重な資料だと思いますので、今後も発信し続けてほしいです。

・震災直後、被災したみなさんの視点の動画は大変貴重に思いました。時系列になっていて、自分がその場にいたらどうするだろうと何度も想像しながら見ました。ありがとうございます。

・山元町出身です。中浜に実家がありました。このような貴重な映画をみることができてよかったです。山元町の当時の様子はなかなかメディアに出てこなかったので、是非みたいと思っていました。

・災害–––津波・地震直後の災害救援の進む様はなかなか見れないものでした。貴重な映像をありがとうございました。あの大変な状況の中でよく撮影されたものと思います。

・震災当時の様子を純粋に記録している映像はTVなどではあまり見ることがないので、このような機会はとても貴重なものだったと思います。記録者である佐藤さんはつらい状況下でもビデオを回し続けていらっしゃって震災のことを絶対に後世に引き継ぐのだという覚悟がひしひしと伝わってきました。

・まず、「すぐに記録を」ということで行動を起こされたことに驚かされると共に感服でした(ご自身、海より500mの所にお住まいとのことで、なお更です)。災害事の対応の一助になります。トークでは個人情報と伝達・コミュニティーの関連について出てきたが、どこまで踏み込むかなど、改めて考えさせられます。(表札まで出さなくなってきた時代)では、なおさら?

・文字通り地震直後からの記録ですので、カメラをまわしていただいてありがとうという気持ちです。

・よくぞ記録してくれました。避難所での消防団、学校の先生、町職員の活動が良く解る。感謝!そして、自衛隊にも世話になりましたよね。今、忘れちゃいけないのは、各県からの支援とボランティアの活動ですね。自分でも出来る事をやり続ける事が復興につながる事を改めて考えさせられました。ありがとうございました。

・大災害時、特に避難所に関わる方々の大変なご苦労に思いを馳せました。みなさんそれぞれの場で、精一杯働いていた姿に頭が下がりました。又、それをカメラで記録して下さった佐藤さん、ありがとうございました。拝見して一番感じたことは、日頃からあらゆるシゴトを想定して、持ち場や役割分担など可能な限り前もって決めておく必要があることです。宮城県沖に大地震が90%の確率でくると皆が危機感をもっていた当時、私たちは障害者の方は避難所ではすごせない人がいるからと、福祉避難所の必要性を訴え、それが大震災の時、非常に助けられたと、ことばをいただいたことを思い出しました。わすれんの活動に今後も注目、期待しています。

・貴重な映像を見せていただきありがとうございました。山元町民ですが、当日は旅行中で関西の方にいてわかりませんでしたが、今日の映像を拝見し改めて大変だったのだと知りました。

・記録は記憶に残ります。貴重なものであると思います。皆さんの頑張りと不安がしっかりと見えました。

・住んでいた方がとった記録は、新聞やTVなどのマスコミが伝えるものとは、意味あいがちがってくると思いました。細かい事ですが、ボードに時間が記入してあったり、その都度ハンドマイク(?)で情報を流すなど。こういう感じなんだ〜というのが少し新鮮でもありました。私は県外なので、どうしてもよくマスコミで取り上げられている土地の事しか知るすべもないのですが、「山元町」を少し知ったのは収穫でした。

・修ちゃん有りがとう。すごい。こんなによく映して下さいました。メディアテークに感謝。証言集を作りましたが、映像がより伝わります。もっと山元町でも活用してほしいと思いました。被災者の中にはまだまだ見たくない、考えたくない人も居ますが、よく向き合うべきだと思いました。

・地震が起こると同時にカメラを回してた事に驚きました。特に最初の方ですが、映像と音楽のバランスが気になりましたが、続けてとられていた事は後々に残る大事な映像が沢山あったと思います。コロナと同時でなかったことは不幸中の幸いだったと思います。

・大変な最中、貴重な映像を長い間撮影されたこと、その姿勢に敬意を表します。発災時の津波及び町役場の映像は非常にリアルに当時の状況を感じることができました。

・大垣市の水道局、春日井の自衛隊、わたしの住んでいる近くの地域から支援があったことを知り嬉しかったです。自ら被災されているにも関わらず貴重な映像を残して下さり、ありがとうございます。知らなかった事ばかりでした。

・娘が生まれて3ヶ月後の震災でした。自宅は内陸部だったため津波の心配はありませんでしたが、これから先、娘たちが3.11のような大震災が起きたら…そう思うと不安です。娘たちに映像を見てもらい、少しでも何か考えるきっかけをつくりたい。この映像は、小学校でもみてもらいたい。もっと多くの人にみてもらうべきです。

・映像自体、非常に貴重なものだと感じました。私は現在仙台に住んで1年と少しですが、それまでは関西に住んでいたため、ニュースなどの一般的な情報しか持っていません。こちらに来て、恥ずかしながら、知ることが多くなりました。まだまだ当然ながら知らないこと、感じれていないことがたくさんあるということを最近になって自覚できてきました。その上で、今回の映像で見れたことは大変ありがたかったです。

・個人での映像で長時間記録、素晴らしいの一言です。被災地は各地だが、山元町を限られて撮影。テレビ放映も無かったようなので貴重でよかった。被災者でご苦労されているのに後世に残すという事を第一に考え、資料撮られ、考えさせられる。

・被災者となっていた現場で映像を客観的にとり続けられたことに感動しました。

・10年経ってもあの日の事は昨日のように思い出されます。一人一人が覚えていても、年を経るごとに風化をしていきます。そのためにも記録して残していくことは震災から学び次の世代につなげていく責務だと思います。歴史、文書とともに映像の記録の大切さに改めて知りました。被災された中での記録ありがとうございました。

【記録映像紹介】
『東日本大震災 山元町の記録 忘れまじ この悲しみを』 46分

宮城県の沿岸部にある山元町は、東日本大震災により死者637名、住宅2,217棟が全壊という被害が発生し(2019年12月現在)、町内総面積の約37パーセントが津波で浸水しました。 この記録は、当時山元町にお住まいだった佐藤修一さんが震災直後から山元町役場の災害対策本部・避難所の様子をビデオカメラで撮影したものです。災害発生時に、災害対策本部がどのように動いていたか。そして、避難された方々にどのように情報が伝達されていったのか。どんな小さなことでも伝えようと、あの日みんなが奮闘していた記録です。

[制作]佐藤修一
[編集]木村忠志
[撮影地]宮城県亘理郡山元町
[撮影日]2011年3月11日-3月16日、6月中旬頃、7月23日
[制作年]2018年

本作品は、せんだいメディアテーク2階 映像音響ライブラリー/視聴覚教材ライブラリーにて貸出しています。

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2011年3月11日から5日間の山元町役場の様子

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