2020年3月31日
3月はいつもザワザワしています。
定点観測のように多くのメディアが大川小を取り上げます。
今年は、じっくり取材した上で時間をかけて作る記事や番組が増えました。
(そうじゃない場合もありますが)
内容も多様化しています。受け取り方も様々です。
メディアがきっかけになり、より広がり、深まることを願います。
3月はただでさえ、1年間の思い出と、新しい学年に進む期待と不安で、
さみしいようなワクワクするような気持になるものです。
突然、長い春休みに入った今年は、
卒業式や修了式がいつも通り行えないという話をよく耳にします。
胸がザワザワします。 あの日は卒業式一週間前でした。
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9度目の3月11日は、コロナ禍のため例年のような慰霊祭という形はとらないことになりました。
そのためか、朝から夕方まで手を合わせにくる人が絶えませんでした。
やっぱり今年も、サイレンが鳴ってから、51分間校庭にいました。
つららができたほど寒く、雪がちらついてきたあの日を思います。
今年の3月11日の校庭は、風が強く、
よく晴れた空を雲がどんどん流れ、
中庭から誰かが飛ばした風船が、
するりと屋根をかすめて昇っていきました。


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研修で大川小を訪れた小学校の先生から手紙が来ました。
大川小を題材にした道徳の授業を行ったと。
子どもたちが一生懸命話し合っていたと。
3月11日、校庭で大学生に声をかけられ、手紙を手渡されました。
4月から小学校の先生になります。その前にどうしてもここに来たかった、と話していました。
「未来を拓く」は校歌のタイトルで、開校以来大川小のキャッチフレーズみたいなもの。
ここから拓く未来は、あの日の出来事から目を反らすことではなく、向き合ったその先に見えてきます。
5年間何百回も通い、校舎の掃除、草刈り、花植等の作業を続けてくださった茨城のボランティアバスが、遺構の整備工事が始まるということで、3月いっぱいで活動を終えました。
延べ1万人が作業に参加したそうです。
茨城ボラバスをはじめとしたボランティアの方々のおかげで、行く度に学校がきれいになっています。
あとがたり 「2020年3月、学校では卒業、進級に向けて文集を作ったり、お楽しみ会をしたり、一年の総仕上げの時期、突然全国の学校が休校になった。 この年に中学を卒業するのは、2011年4月に震災の混乱の中で小学校に入学した生徒たちだ。各学校では卒業式を中止にするのではなく、工夫して精一杯の式を挙行した。 「2011年3月、私が勤務していた学校は体育館が使えず、図書室で一週間遅れの卒業式を行った。多くの生徒は制服も流され、着の身着のままで卒業証書を受け取った。 「大川小学校の卒業式は4月24日。ピアノの伴奏をする娘が一生懸命練習していた「門出の歌」は歌われなかった。 一生に一度しかない2020年を「コロナ禍のせいで○○ができなかった」というだけの年にしてはいけないと強く思った。 |
参考:ブログ「これまで、ここから~大川小学校のこと」
https://korekoko.blogspot.com/
写真提供:大川伝承の会(撮影日不明)