2025年7月14日、埼玉県の自由の森学園高等学校の生徒たちが、宮城県石巻市などを巡る3泊4日のスタディツアーの最後にメディアテークに立ち寄ってくれました。メディアテークを訪問するのは今年度で3回目です。
このスタディツアーは自由の森学園高校が実施している「東北と復興」という選択講座の一つで、高校1年生から3年生までの約20名が、週に2時間、1年間かけて東日本大震災を軸に、東北地方のことと震災の被災と復興の現在について考えることを目的に学んでいます。
(昨年度の学びの記録は「星空と路」でも展示しました)
前半は、わすれン!の成り立ちや取り組みについての講義を行いました。
講義のあとは、メディアテーク2階のわすれン!資料室でわすれン!参加者による記録や資料を見学してもらいました。


後半は、わすれン!で活動をしている「ゆるくフラットに震災について語る会(通称:ゆるフラ)」の近藤日和さんを招きお話を伺いました。近藤さんは宮城県石巻市出身で、石巻市を中心とした語り部活動をしているほか、福島県浪江町出身の清水葉月さんとともにオンライン番組の配信をされています。
※「ゆるくフラットに震災について語る会」記録記事はこちらにまとめています。
※オンライン番組の全編視聴はこちらから

震災当時、石巻市立門脇小学校の6年生だった近藤さんは、自宅が津波で被災し、避難生活を経験されました。今回の講義では、近藤さんが震災や避難生活を通して体験したこと、感じたことをお話ししていただきました。
近藤さんは、普段の活動の中で震災にまつわる「不謹慎」な話も、あえて取り上げています。震災を語り継ぐ時に、こぼれ落ちてしまいがちな、ちょっと話しづらいことにもスポットを当てることで、誰もが震災について話しやすい場をつくられてきました。
今回の講義でも、不謹慎だけどクスッとしてしまうようなエピソードも紹介してくださりました。震災伝承における語りの中ではそういったエピソードはなかなか語られませんが、このような語りから震災のリアルな一面に触れることもできると気づいた講演でした。
講演を聞いた生徒の皆さんからは時間いっぱいまで多くの質問が寄せられました。その中には、不謹慎な話に関する質問もいくつかありました。震災や復興を学ぶうえで、少し違った視点で震災を捉えることができたのではないでしょうか。今後、生徒たちは学校に戻り今回のツアーのふり返りをします。4日間の宮城での体験から感じたことや学びが若い目線でどのように捉えられ語り直されるのか楽しみです。