語り手:佐藤勇気さん/進行・聞き手:佐藤正実さん(NPO法人20世紀アーカイブ仙台)
■倒壊した観音堂山門
[佐藤さん(以下、佐)]今回の発表者は今まで参加した中でも最年少の、高校1年生です。よろしくお願いします。
[佐藤勇気さん(以下、勇)]これは、家の近くの神社の写真で、普段見慣れているところを写真に撮りました。
■中央分離帯に放置されたままの車
[勇]これは、多賀城の産業道路で普段は見慣れない光景です。車がたくさん重なったり、まだ震災の影響が残っていた時の写真です。
[佐]これは車の中から、撮った写真ですね。
[勇]はい、そうです。
■入り口が封鎖されたコンビニ
[勇]この写真を撮った理由は、普段は24時間やっているコンビニがやっていないということで、震災があったと改めて感じたからです。
[佐]これは、多賀城のコンビニということですけど、津波の被害にあって閉店したままで、出入り口にはベニヤ板を貼ってるのかな。街中のコンビニでは、新聞を貼ったり、ダンボール貼ったりしてありました。24時間365日開いているコンビニが、こういうふうに閉まっている、買い物ができないでいるっていうのは、当時どこのコンビニでもありました。
■住宅街で行われている自衛隊による作業風景
[勇]普段自衛隊が活動しているところはあまり見ることはできませんが、自衛隊が活動しているところが珍しいので写真に撮りました。これも震災があったと、改めて感じることが出来る写真です。
[佐]七ヶ浜で自衛隊が活動しているところということですけど、自衛隊の人たちが瓦礫を積んだり撤去したり、あとは交通整理をしている。普通、目の前で自衛隊の人がなにか作業をしているのは見たことがないんですけど、日常の生活の中で普通に見られたのが、当時の様子だったなっていうことを、改めて感じる写真だと思います。
*この記事は、2012年11月24日にせんだいメディアテークの考えるテーブルで行われた『3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト公開サロン「みつづける、あの日からの風景」』で、佐藤勇気さんがお話された内容を元に作成しています。
当日の様子はこちらからご覧いただけます。
《考えるテーブル レポート》→http://table.smt.jp/?p=3701#report
【3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクトとは】
このアーカイブ・プロジェクトは、東日本大震災で被災した宮城県内各市町の震災直後の様子、および震災から定期的に定点観測し復旧・復興の様子を後世に残し伝えるために、市民の手で記録していくものです。これから市民のみなさまから記録者を募っていくとともに、その情報交換・活動の場を公開サロンとして定期的に行っていきます。これらの定点観測写真は、NPO法人20世紀アーカイブ仙台とせんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」で記録・公開し、市民参加で震災を語り継ぐ記録としていきます。
NPO法人20世紀アーカイブ仙台
公式Web:http://www.20thcas.or.jp/
【考えるテーブルとは】
人が集い語り合いながら震災復興や地域社会、表現活動について考えていく場を「考えるテーブル」と題して、せんだいメディアテーク、7階スタジオに開きます。トークイベントや公開会議、市民団体の活動報告会など多様な催しを行っていきます。