ごうけいほうもんしゃすう

震災直後、仙台市青葉区での記録

3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト 公開サロン @仙台国際センター 2012年7月3日

語り手:齋藤高晴さん/進行・聞き手:佐藤正実さん(NPO法人20世紀アーカイブ仙台)

■震災直後、サイレンの鳴り響く中カットを続ける

震災直後、サイレンの鳴り響く中カットを続ける

2011年3月11日 仙台市青葉区一番町2丁目

[齋藤さん(以下、齋)]青葉通りと一番町の交差点を歩いていたところ、美容室の前でこの風景を目にしました。(おそらく停電になったため、外に移動してカットを続けていたのだと思います。まだあたりが騒然とする中、平然とカットをする様子が)あまりに衝撃的で、それまではただ動揺していただけだったのですが、写真を 撮って記録に残すというスイッチが入りました。

■つながりやすかった公衆電話に並ぶ人々

つながりやすかった公衆電話に並ぶ人々

2011年3月12日 仙台市青葉区一番町

[齋]震災直後は、停電が続き、携帯電話も繋がらなかったのですが、公衆電話はつながりやすく、列ができていました。

■安い値段で食料品を販売していたクリーニング店

安い値段で食料品を販売していたクリーニング店

2011年3月21日 仙台市青葉区一番町1丁目
展示「3月12日はじまりのごはん」で利用しました

[齋]いつもよく行く馴染みのクリーニング店で、震災直後に関わらず「特売品」と表示された果物や野菜がたくさん売られていました。店主のおじさんに話を聞いてみると、震災直後に露店が現れて、通常時より高い値段で食品を売っていることに憤った店のおばさんの提案で、朝2時に市場へ行き、仕入れて特売品として売っているということでした。こんな時にこそサービスをする、お店のおじさんとおばさんの心意気に感動して、思わず撮った一枚です。

■ガソリン不足の中、街中は自転車で移動する人が増加

ガソリン不足の中、街中は自転車で移動する人が増加

2011年3月28日  仙台市青葉区五橋

[齋]ガソリン不足が続いていため自転車で移動する人が多く、これまで見たことがないほど沢山の自転車が走っていました。 海外の友人たちは、津波や原発事故などのネガティブな報道ばかりを目にしてとても心配していたので、仙台市中心街の人々の元気な様子を知らせて安心させたいと思い、震災直後から毎日1枚ずつ写真とコメントをFacebookにアップしていました。その中の1枚です(他の写真も同様)。

*この記事は、2012年7月3日に仙台国際センターで行われた『3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト公開サロン「みつづける、あの日からの風景」』で、齋藤高晴さんがお話された内容を元に作成しています。

【3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクトとは】
このアーカイブ・プロジェクトは、東日本大震災で被災した宮城県内各市町の震災直後の様子、および震災から定期的に定点観測し復旧・復興の様子を後世に残し伝えるために、市民の手で記録していくものです。これから市民のみなさまから記録者を募っていくとともに、その情報交換・活動の場を公開サロンとして定期的に行っていきます。これらの定点観測写真は、NPO法人20世紀アーカイブ仙台とせんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」で記録・公開し、市民参加で震災を語り継ぐ記録としていきます。

 

NPO法人20世紀アーカイブ仙台
公式Web:http://www.20thcas.or.jp/

|記録の利用事例|
3枚目の写真は、展示「3月12日はじまりのごはん」で利用しました。
来場者がこの写真を会場で見て、想起したエピソードを下記のリンクからお読みいただけます。
72「損得関係なくみんなのために頑張って売ってくれたお店もあれば、牛乳1ℓを300円!!で売ってた路上販売もあった。」

センターについて

せんだいメディアテークでは、市民、専門家、スタッフが協働し、東日本大震災とその復旧・復興のプロセスを独自に発信、記録していくプラットフォームとして「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(わすれン!)を開設しました。

3がつ11にちをわすれないためにセンター
(せんだいメディアテーク 企画・活動支援室内)

〒980-0821 宮城県仙台市青葉区春日町2-1

TEL 022-713-4483

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