3がつ11にちをわすれないためにセンターのウェブサイトで公開されている映像記録「生きられる家」には、仙台市や七ヶ浜町の沿岸部で暮らしていた人びとが震災の後、少しずつ自分たちの居場所を取り戻していく様子が残されています。
そこには、「自宅の流出物を敷地に並べる人」や「瓦礫を再利用し小屋を建てる人」、「代々住んだ家の修復に取り組む人」など、その場所に住む人の生活が確かに在ったことやそれぞれが独自の方法で家の再建に取り組んでいたことが、インタビューや作業の様子などを交えて映し出されています。
いわゆる被害だけを切り取ったような映像ではなく、震災を経験したさまざまな人たちの個々の思いやその後の日常風景に触れることで、自らがイメージする東日本大震災とは異なる新しい視点を通してなにかに気づくことが出来るかもしれません。
震災を語ること、忘れていくことの戸惑い……戸惑うことを否定するのではなく、その感情を丁寧に見つめ直すようなそんな場になればと思います。
当日は映像を見ながら、来場者同士で感想などを自由に話し合います。
日時:2015年7月26日(日) 15:00-16:30 (参加無料、申込不要、直接会場へ)
会場:せんだいメディアテーク7F プロジェクトルーム
主催:3がつ11にちをわすれないためにセンター(せんだいメディアテーク)
企画:こえシネマ
上映時間:約40分(「生きられる家」シリーズから数本を抜粋して上映予定)
上映作品 【生きられる家】
制作:佐藤貴宏
撮影地:宮城県仙台市宮城野区蒲生、宮城県宮城郡七ヶ浜
撮影年:2011-2013年
▶こえシネマとは
震災とそれを発端に起こった出来事は、私たちをとりまくさまざまな「距離」を浮き彫りにしました。その「距離」を意識したとき、私たちの中で言い出せなくなることばがあるように感じています。「こえシネマ」では、それらのことばを話せるきっかけになるのではないかと考え、身近な目線で記録された映像を見て話し合う場を2012年から開いています。
ブログ:http://koecinema.blogspot.jp
▶過去のこえシネマについては、下記の考えるテーブルのホームページでご覧いただけます。
こえシネマ第1回「被災地を撮ること/見ること」レポート
こえシネマ第2回「感情は誘われる~音は映像を変える~」レポート
こえシネマ第3回「その日から当事者になった/感情は誘われるⅡ」レポート
こえシネマ第4回「それぞれの距離に触れて」レポート