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【レポート】相馬クロニクルダイアログ第1回

星空と路ー上映室ー「暮らしの行き先」

2018年2月24日(土)、25日(日)に開催した「星空と路−上映室−『暮らしの行き先』」では、映像の上映後、わすれン!参加者やゲストを招いてのアフタートークや対話の場を開きました。

開催概要
対話の場:相馬クロニクルダイアログ
日時:2018年2月25日(日)16:30-19:10
会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオシアター、プロジェクトルーム
進行:渡部義弘(相馬クロニクル)
ゲスト:佐藤千穂(映像作家)、ルカ・リュ(映像作家/カメラマン)

相馬クロニクルダイアログとは
相馬高校放送局の震災後制作の映像上映を主たる目的とした任意団体「相馬クロニクル」の音声・映像作品に見られる福島県の高校生の震災や原発事故に対する想いから、私たちの暮らしやこれからのことを話す対話の場です。



今回の相馬クロニクルダイアログ第1回では、

相馬クロニクルの制作3作品
『緊急時避難準備不要区域より』(2011年制作 音声ドキュメント)
『Girl’s Life in Soma』(2012年制作 映像ドキュメント)
『相馬高校から未来へ』(2013年制作 映像ドキュメント)
佐藤千穂、ルカ・リュ監督
『FUKUSHIMA: The silent voices』

上記4作品を鑑賞し、参加者が感じたこと、考えたことを対話しました。いずれも福島を題材に制作されたドキュメンタリーです。
『FUKUSHIMA: The silent voices』制作者の佐藤千穂さんとルカさん、相馬クロニクルからは主宰の渡部義弘が参加しました。ほかにこの作品を見た方々で対話がなされました。
今回はテーマを設けずに対話を始めたのですが、「放射能」に関しての家族間の対話ということがまず話題になりました。
『FUKUSHIMA: The silent voices』はフランスでも上映され、フランス人はドキュメンタリーを見て、住んでる方々の気持ちの理解であったりとか、そういうところに住み続けるということに対しての問題提起というのは伝わったが、「放射能は問題ないですよ」とか「放射能はそんなに言うほど危険じゃないですよ」っていう対応に対してはフランス人はすごく驚き怒りに似た感情も持っているということでした。
佐藤さんからは相馬クロニクル作品についての感想をいただきました。音声作品『緊急時避難準備不要区域より』は自作にも通じる部分があるとのことでした。震災直後に家族にマイクを向けて震災について今思っているということで制作動機が似ているということ。作品中で引用される『今伝えたいこと(仮)』という演劇について、福島県に住む者の思いを率直に伝えている作品だという評価をいただきました。また、「子どもたちが思ったことを言える社会をつくるためにも、私たちが思ったことを言わないといけないんじゃないかなと思った」との意見もありました。
会場からも幾つかの質問や意見が出されました。以下は『FUKUSHIMA: The silent voices』に対しての質問や感想です。

①撮った映像、編集で切ったとこはとの質問がありました。ラッシュ自体は72時間ぐらいあった中で意識的に切ったのは「被害者に対する妬みのようなもの」で、具体的にはベンツ乗り回してるとか、パチンコ行ってみたいな話をカットしたそうです。

②数字とか被害をお金に換算したり数字や単位で測れないものがあるような気がしていて、今日見た作品からはそれがすごく感じられたとの感想がありました。

③子どもたちはどういうふうに受け止めてるのかという質問がありましたが、佐藤さんは姪っ子と甥っ子に対してはインタビューしてないとのことでしたが、自分で震災のことを語ることもあったようです。放射能については学校の教育の成果もあってか結構教科書通りのことを言われてしまうとのことでした。
当時高校生であった『今伝えたいこと(仮)』の上演に関わった者も来ていました。この演劇が誰に向けてどんな思いで作られたかという質問に対しては「大人や社会全体に対しての不信感、その時の政府への怒り。これからの未来は私たちの世代がつくっていくのに、大人の意見ばっかり取り入れて子どもの意見を取り入れないのなどの思いを込めて作った」という返答がありました。

佐藤さんからはフランスで上映会した時に、「福島ってこんなにきれいな場所だとは思わなかった」っていうふうに言ってくれる人が多くてという発言もありました。フクシマとカタカナ表記されることも増え、世界的な関心を集めた福島ですが、そこに生きる人の思いは様々です。そしてその思いが表出される機会は非常に稀です。
『FUKUSHIMA: The silent voices』や相馬クロニクルの作品は福島に生きる人々の思いに触れることの出来る作品だと思います。これからも上映の機会を作っていきたいと思います。

今回の相馬クロニクルダイアログを通じて、放射能について率直に語り合うことの難しさを感じると同時にそのような場を設けることの必要性を強く感じました。
自治体や行政では「ポジティブ」などの方向性をつけて「カフェ」と称した話し合いの場を設けることがあります。ネガティブなことも含めた率直な思いを語り合える場も無いと思いを飲み込む人もいるのかなと思います。
このダイアログ率直な思いを語り合える場になるよう、これからも活動を続けていきます。

報告:渡部 義弘(相馬クロニクル主宰)


相馬クロニクル
相馬高校放送局の震災後制作の映像上映を主たる目的とした任意団体です。相馬高校放送局は日本ジャーナリスト会議特別賞を高校生として初めて受賞するなど、国内外で高く評価されています。

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