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『鈍行旅日記』アフタートーク 福原悠介

星空と路 —3がつ11にちをわすれないために—(2023)

2023年3月8日〜12日に開催した「星空と路 —3がつ11にちをわすれないために—」では、最終日の3月12日に、わすれン!参加者による記録映像の上映会を行いました。

16:00からの『鈍行旅日記』上映後のトークでは、制作者の福原悠介さんにお話を伺いました。この映像は、2022年夏に、福原さんが鈍行列車で各地を旅した際の映像に、道中で書いた旅日記の朗読をのせたシネ・エッセイです。仙台を出発して、福島、三里塚、広島、水俣など、かつて映画=記録でみた土地をめぐりながら、変わってゆく人と記録の関係に思いをはせた60分間の映像です。

トークでは、直接の震災記録ではないこの映像を「わすれン!」にアーカイブすることについて、福原さん自身の経験や「わすれン!」との関わりなどを紐解きながら語られました。震災から10年が経ったことを機に、「さまざまな人たちが作ってきた震災の記録はこれからどうなるのだろうか」と考えるようになったという福原さんは、東北の震災より何十年も前に、戦災や公害などの文脈で記録されてきた土地(水俣、広島、三里塚、阿賀など)をめぐりながら、その問いについて考えました。
この映像は、そんな「震災の記録について考えた一市民の記録」であると同時に、震災とは何か、市民とは誰か、記録とは何か、そして「わすれン!」とは何かということを、改めて問いかけてきます。

トーク内容全文はこちら⇒ PDFファイルテキストファイル

 

【来場者のこえ】(上映会アンケートより)


・私的な日記と映像がこんなに自分の心の中をめぐるとは思いませんでした。「わすれン」の中にあって良い、あるべき記録だと思いました。

・あれよあれよという間に1時間が経ちました。トークを含め、内容が濃かったです。

・淡々とした記録的な描写でありながら、映画のような雰囲気もあり、ふしぎにわくわくする作品でした。広島の資料館のビデオ内で、ほぼノーカットで言い淀む瞬間なども残していることにより、編集をした映像よりも伝わってくるものが多い……というような映像内の言葉に、たしかに、と思いました。キロクすることについての考察のキロク、のような……。

・広島の被爆者自身ではなく、伝承をきいた人が語り継ごうとする人の話が興味深かったです。体験した人の人生を引き継いでいるということとか、いいよどみや「間」も含めての臨場感の話とか、水俣で言っていた「映像に音楽を被せると……」のくだりも印象的でした。

・過去の記録と3.11の記録とを重ねて考える時、全てに共通する物語りは大切な事実なので、過去から未来へと繫がり、やはり貴重な記録として残してください。永年生きてきてこのような機会に遭遇するのも良いと感じました。

・わすれン!の記録もお地蔵さんのようになっていくという話を聞いて、物として見せる1階の展示のことを思い出しました。物として手に取って見ることができるのは大事だなと思いました。1日1ショットの映像が日記に添えられたスケッチのような軽さもありながら少しずつ変わる風景にじっと見入ってしまいました。この作品によってわすれン!に参加する人のそうがぐっと広がりそうですね。

・記録=お地蔵さんの発想、とても良いと思います。お地蔵さんを作らなければならない(でいられない)思い、その前に立った人が思わず手を合わせる行為、いつまでも残る存在、お地蔵さん自身が人を好きなのです。そんな記録であってほしいですね。

 

【映像紹介】


『鈍行旅日記』 60分
2022年夏、鈍行列車で各地を旅した際の映像に、道中で書かれた旅日記の朗読をのせたシネ・エッセイ。仙台を出発して、福島、三里塚、広島、水俣など、かつて映画=記録でみた土地をめぐりながら、変わってゆく人と記録の関係に思いをはせた「記録についての記録」。

[制作]福原悠介
[撮影地]宮城、福島、千葉、東京、静岡、愛知、岡山、広島、山口、福岡、大分、熊本、大阪など
[撮影日]2022年6月16日~7月7日
[制作年]2023年

※映像作品『鈍行旅日記』は、「わすれン!DVD」として貸出しています。
※福原さんが執筆した「鈍行旅日記」にまつわる文章を、ウェブサービスnoteで読むことができます。https://note.com/petra_yf/n/n94eae9f34566

 

【制作者プロフィール】

1983年仙台市生まれ。映像作家。民話語り・アートプロジェクトなど地域の文化と、そこに暮らす人々の日常を記録する。おもな監督作に『老人と家』『木町末無/障子のある家』『ロッツ・オブ・バーズ』(「立町三部作」)など。

〈わすれン!関連作品〉
飯舘村に帰る
震災記録を見る、読む、囲む—「飯舘村に帰る」バリアフリー上映の記録—
〈参加作品〉
『うたうひと』(監督:酒井耕・濱口竜介)
『空に聞く』(監督:小森はるか)
『二重のまち/交代地のうたを編む』(監督:小森はるか+瀬尾夏美)

 

【展示紹介】

「星空と路」会期中、1階のオープンスクエアでは、映像の展示に加え、『鈍行旅日記』のテキスト全文が読める閲覧ブースや、「鈍行旅日記をめぐる映画と場所」と題した旅の地図などの資料展示も行いました。

 

 

 

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センターについて

せんだいメディアテークでは、市民、専門家、スタッフが協働し、東日本大震災とその復旧・復興のプロセスを独自に発信、記録していくプラットフォームとして「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(わすれン!)を開設しました。

3がつ11にちをわすれないためにセンター
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