語り手:津田正俊/進行・聞き手:佐藤正実さん(NPO法人20世紀アーカイブ仙台)
■ホームセンターで水を入れるタンクを買う人々
[津田さん(以下、津)]普段は過疎化の町と言われているような場所なのですが、この時ばかりは、大勢の人が列を作りました。写真に納まりきれないほど並んでいます。
■国道4号の一部でがけ崩れ
[津]栗原市は東日本大震災で全国で最大震度7を観測した場所なので、ものすごい揺れがあり、このようながけ崩れも起こっていました。
■電気が復旧し、街灯が点る自宅前の通り
[津]栗原市中心街は、わりと早く電気が復旧しました。この時に自動販売機で買ったコーラのうまいことといったら忘れられません。
■個人経営のお店をいちはやく開店し、食材を提供
[津]私は精肉店を営んでいます。肉をカットするスライサーなどは電気が通らないうちは使うことができませんでしたが、3月で寒かったということもあり、冷凍していた食材はいちはやく販売することができました。5月頃になって、震災直後に買いにきてくださったお客さんが、「あの時はありがとう。」と言って、差し入れをもってきてくれた時には、頑張って本当に良かったなと嬉しい気持ちになりました。
■停電で保存できないため、仙台牛を焼いて食べる
[津]店とは別な場所に、工場があるのですが、そちらは停電が続き、冷蔵・冷凍保存ができないため、バーベーキューをしました。この写真は、社員と、隣で仕事をしている大工さんが集まってきて仙台牛を食べている様子です。
*この記事は、2012年7月3日に仙台国際センターで行われた『3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト公開サロン「みつづける、あの日からの風景」』で、津田正俊さんがお話された内容を元に作成しています。
【3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクトとは】
このアーカイブ・プロジェクトは、東日本大震災で被災した宮城県内各市町の震災直後の様子、および震災から定期的に定点観測し復旧・復興の様子を後世に残し伝えるために、市民の手で記録していくものです。これから市民のみなさまから記録者を募っていくとともに、その情報交換・活動の場を公開サロンとして定期的に行っていきます。これらの定点観測写真は、NPO法人20世紀アーカイブ仙台とせんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」で記録・公開し、市民参加で震災を語り継ぐ記録としていきます。
NPO法人20世紀アーカイブ仙台
公式Web:http://www.20thcas.or.jp/