星空と路—3がつ11にちをわすれないために—(2025)

3月11日の星空と、そこから歩んできた14年を振り返る

せんだいメディアテークは201153日、東日本大震災という大きな出来事に向き合い、ともに考えるために、「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(略称:わすれン!)を開設しました。
「わすれン!」には、市民、専門家、アーティストなどさまざまな立場の人びとが参加し、ともに震災にまつわる事柄を記録し、発信しています。

「星空と路(みち)」は、センターの参加者による記録を紹介する展示やイベント、そしてこれまでに寄せられた記録の利活用の試みの場として、毎年3月に開催しています。個々のまなざしがとらえた記録を通して、これまでの道のりとこれからの歩みを考える時間を過ごすことができればと思います。

《 開催概要 》

会場:せんだいメディアテーク
入場無料・申込不要

[展示]
●2025年3月11日(火)〜3月16日(日)10:00-18:00 
1F オープンスクエア  ※初日のみ13:00開場
●2025年3月18日(火
)〜4月20日(日)9:00-22:00 7Fラウンジ・スタジオa  ※3月27日(木)はお休み

[関連イベント]
●2025年3月15日(土)14:00-16:30
わすれン!記録活動ミーティング——能登から/能登へ——
●2025年3月16日(日)14:00-16:30
てつがくカフェ 第94回「小さな声を重ねる—震災から14年が経過して」

*イベント詳細は下記をご参照ください。

▶︎チラシをPDFで見る

主催・問い合わせ
せんだいメディアテーク企画・活動支援室
3がつ11にちをわすれないためにセンター
仙台市青葉区春日町2-1
TEL 022-713-4483 / FAX 022-713-4482

以下はプログラム詳細です。

 

《 展示 》

崩落した3
記録:髙橋親夫

日記と写真でたどる、津波の境目と避難所の日々
仙台市宮城野区で生まれ育ち、震災当時は地区の町内会長として避難所運営を経験した髙橋親夫さんは、自身の体験を「崩落した3月」という冊子にまとめました。この展示では、冊子におさめられた日記と写真、そして避難所となった高砂市民センターを再訪した際の映像から、当時を振り返ります。

 

ゆるくフラットに震災について語る会
記録:近藤日和、清水葉月

震災をだれでも“ゆるくフラットに”語れる話題に
震災当時は小学生6年生だった石巻市出身の近藤日和さんと、高校生2年生だった福島県浪江町出身の清水葉月さん。だれでも自由に震災について語れる雰囲気をつくりたいという思いで配信しているオンライン番組「ゆるくフラットに震災について語る会」(通称:ゆるフラ)のアーカイブの一部を紹介します。

 

大川小学校とことば
記録:佐藤敏郎(大川伝承の会)

14年間の想いをたどる
楽しく学び遊んでいた、大好きな大川小学校で、あの日多くの子どもと先生が犠牲になりました。佐藤敏郎さんは日々校庭に立ち、失われた風景、日常、いのちを伝えながら、その意味を考え続けています。この展示では、震災後に綴ってきた文章と写真、そしてそれらを改めて見つめ、語り直した言葉を加え、紹介します。

 

3.11あのときのホント
記録:橋本武美

今だから言える・聞ける 障害児の親の声
自閉症の子を持つ親である橋本武美さんは、震災時に経験した障害児者の家族の困りごとを記録に残し、今後に活かしたいという思いから、似た立場にある親たちに会って当時の聞き取りをしています。昨年の展示で紹介したお話に加え、新たに聞いたお話を含めた十数名の方の体験談から、非日常下の生活におけるさまざまな苦労や工夫のエピソードを抜粋し、紹介します。

 

Oshika Peninsula Rephotographed
記録:Gary McLeod(ギャリー・マクラウド)

13年後の牡鹿半島への “再撮影”の旅
 “Rephotograph(リフォトグラフ/再撮影)”を研究・実践し、その手法を用いて作品を発表してきたギャリー・マクラウドさん。「わすれン!」のウェブサイトで2011年7月に撮影された石巻市牡鹿半島の折浜・蛤浜の写真を見つけ、2024年3月に自ら訪れました。他者の記録を読み解いて再撮影を試みる、そのユニークな視点と観察の記録を紹介します。

 

「東北と復興」を考える
記録:自由の森学園高校 選択授業「東北と復興」メンバー


高校生が見て聞いて考えた、東北の復興のいま
埼玉の自由の森学園高校で実施している選択授業「東北と復興」のメンバーが、2024年度の1年間の授業の中で学び考えたことを展示します。震災当時は幼かった高校生が、震災について改めて知り、学び、実際に石巻や福島を訪れて見聞きしたことの記録です。

 

道のりシート
宮本匠(大阪大学)

曲線から浮かび上がる一人ひとりの“復興”
新潟県中越地震や東日本大震災の被災地において、「復興曲線」という手法を用いて個々人の復興過程についてインタビューをしてきた宮本匠さんとの協働企画。震災が起きた2011年3月から今までの道のりを、一人ひとりが書き込むシートを会場に設置します。あなたの震災後の道のりを、暮らしや気持ちの変化になぞらえて、自由な曲線で描いてみてください。

 

インタビューシート −あなたの体験を教えてください

来館者が綴る、一人ひとりの震災体験談
さまざまな問いから震災を振り返るインタビューシート。2023年より館内に設置し、これまでに全国各地での体験が400以上寄せられています。ぜひあなた個人の体験も書いて教えてください。また、今年はシートに綴られた子どもの震災体験に光を当て、そこから浮かび上がるものを探る試みも行います。

 

 

《 関連展示 》

東日本大震災では、インフラが止まり物資が不足する状況の中で、普段とは違った非常時の光景が現れました。そして9年後の2020311日、WHOが新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を宣言し、まちは再び非常時の様相となりました。震災とコロナ禍、それぞれの非日常の中で、市民が記録したまちの写真や体験談を展示します。災禍の暮らしの写真と言葉から、地域の記録を残し、記録から想起し、また伝えることの意味を探ります。

 

まちなかの距離感 —2011年と2020年の仙台—
記録:3.11オモイデアーカイブ/佐藤正実

 

 

 

 

 


左:2011年 / 右:2020年

2011年の東日本大震災と2020年頃のコロナ禍において、市民が撮影したまちの写真を展示します。それぞれの写真には、コンビニ、スーパー、商店街、駅などの普段と違った様子が写され、2つの災禍における類似した状況、あるいは全く異なる状況が見て取れます。これらの写真から思い出したみなさんの暮らしのエピソードを教えてください。

 

災禍の体験を語るということ ——コロナ禍と東日本大震災
記録:お茶の水女子大学の学生有志、丹羽朋子(Dialogue / Research / Trip

子どもの頃に東日本大震災を体験した学生たちの中には、当時の記憶が薄い人も少なくありません。一方でコロナ禍は、彼らにとってより身近な“災厄”の一つと言えます。コロナ禍の写真を持ち寄りそれぞれの体験を語り合ったり、さまざまな人の震災体験が綴られた「インタビューシート」を読み他者の体験に触れたりしながら、「私/私たち」の視点で「災禍の体験を語ること」について考えた、一連の記録を紹介します。

お茶の水女子大学の学生有志:遠藤有理、椎名美咲、野口真悠子、平子七海、若松彩希

 

《 関連イベント 》
会場:1Fオープンスクエア
参加無料・申込不要・直接会場へ

3/15(土)14:00-16:30
わすれン!記録活動ミーティング——能登から/能登へ——

2024年11日に発生した能登半島地震から1年以上、同年9月の豪雨から半年近くが経ちました。復興が遅々として進まないなか、一人ひとりの手で写真や映像、言葉などのメディアを使いながら現地の今を記録・発信しようとしている動きは立ち上がっています。

そこで、わすれン!の資料の海に飛び込んで新たな可能性を探った「ダイブわすれン!」(2022年)に参加し、能登の震災後もいち早くアーカイブの構想を進めているキュレーター/アーキビストの明貫紘子氏(合同会社映像ワークショップ)をコーディネーターに迎え、それらの取り組みの一端に触れ、課題を分かち合う場を設けます。

*ゲストなど詳細は、追ってイベントページにてお知らせします。
*3月11日〜16日の間、本イベントで紹介する活動や記録を1F会場にて展示します。

Tokyo Art Research Lab「コミュニティ・アーカイブ・ミーティング——能登・仙台・東京」(アーツカウンシル東京[公益財団法人東京都歴史文化財団])協力企画

3/16(日)14:00-16:30
てつがくカフェ 第94回「小さな声を重ねる—震災から14年が経過して」

今年も、2月1日から311日のあいだ、せんだいメディアテーク1階に「モヤモヤボード」を設置します。東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故について、うまく言葉化できない漠然とした「モヤモヤ」を集めます。
今回のてつがくカフェでも、「モヤモヤボード」に寄せられるいくつもの「小さな声」に耳を傾けることから、震災や原発事故についてじっくりと考えられる対話の場をひらきます。

てつがくカフェとは?
「てつがくカフェ」は、わたしたちが普段、当たり前だと思っている事柄から、いったん身を引き離し、「そもそもそれって何なのか」といった問いを投げかけます。そして他者との対話を通して、自分自身の考えを逞しくすることの難しさや楽しさを体験するものです。

主催:てつがくカフェ@せんだい、せんだいメディアテーク

 

* * *

2Fの常設展示「わすれン!資料室」 へもお立ち寄りください

メディアテーク2Fの常設展示スペース「わすれン!資料室」では、「わすれン!」に寄せられてきたさまざまな記録資料の一部をご覧いただけます。



アーカイヴィークル
「わすれン!」の資料を詰め込んだ小さな屋台。


 



わすれン!録音小屋
ふたりひと組で震災にまつわるお話を録音できます(予約不要・随時受付)。





3月12日はじまりのごはん
いつ、どこで、なにたべた?—
震災当時の「食」にまつわる写真をきっかけに、当時の体験や想いなどを自由にふせんに書く参加型展示。(協働:3.11オモイデアーカイブ)


定点観測写真
震災後から撮影が続けられている東北各地の定点観測写真を展示しています。

 

 

資料室の開館日時は、2Fライブラリーと同じです。
平日9:30-20:00、土日祝9:30-18:00/毎週月曜・3/21・3/27はお休み

 

[2025年1月24日 公開]

センターについて

せんだいメディアテークでは、市民、専門家、スタッフが協働し、東日本大震災とその復旧・復興のプロセスを独自に発信、記録していくプラットフォームとして「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(わすれン!)を開設しました。

3がつ11にちをわすれないためにセンター
(せんだいメディアテーク 企画・活動支援室内)

〒980-0821 宮城県仙台市青葉区春日町2-1

TEL 022-713-4483

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