3月11日の星空から7年が過ぎようとしています。
「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の参加者は、技術や経験の有無にかかわらず、震災にまつわる様々なことがらを記録してきました。そこには、震災による被害の状況や変わりゆく地域の姿だけでなく、参加者一人ひとりの想いや言葉が映し出されています。
今回の上映室は「暮らしの行き先」と題しています。
地域の復旧・復興が進む一方で、そこにあった暮らしの不安が見えにくくなる今、私たちがこれから歩んでいく道のりについて、ご来場いただいたみなさまと共に考えるきっかけとなればと思います。
- にちじ
- 2018年2月24日(土)10:00-19:00、2月25日(日)10:00-19:10
- ばしょ
- せんだいメディアテーク7F スタジオシアター
- さんか
- 入場無料・申込不要・出入自由
〈 タイムテーブル 〉
2/24(土)
10:00 閖上のさぐば×ペルーのカバリト(40分/閖上)※託児あり
10:40 アフタートーク 林剛平×上原啓五 ※託児あり
12:40 2011おんがく①(short ver.)(5分/安比)
12:45 Perfect world(11分/荒浜)
12:56 今日は市バスに乗って、荒浜へ(45分/荒浜)
14:00 遠会−女川身辺雑記−までの記録(20分/女川)
14:40 民話と震災体験(亘理郡山元町の庄司アイの語り[4]より)(50分/山元)
15:50 互盆松鹿樂(3分/陸前高田)
15:53 超絶祭2017−1次会「互行乃儀」(15分/陸前高田)
16:25 新しい庭(30分/中山)
17:15 根をほぐす(18分/陸前高田)
17:33 In-Field Studioの試み−大地からHumanityを組み立て直す−(20分/インド)
17:53 アフタートーク 小森はるか×佐藤研吾×成瀬正憲
2/25(日)
10:00 小国春熊猟2017(100分/山形)※託児あり
12:40 福島の光景+β(9分/福島)
13:05 バンテジーから3.11後の東北へ(54分/インド)
14:15 小さな藍祭り(30分/福島)
15:00 Tango Karamarito(69分/福島)
16:30 福島県立相馬高校放送局制作映像作品(25分/福島)
緊急時避難準備不要区域より/Girls Life in Soma/相馬高校から未来へ
16:55 FUKUSHIMA: The silent voices(58分/福島)
18:10 対話の場「相馬クロニクルダイアログ」 佐藤千穂×ルカ・リュ×渡部義弘
※シアターでの上映後、プロジェクトルームへ場所を移してゲストと来場者を交えての対話を行います
※上映時間は目安です。
〈 プログラム 〉
2/24(土)
10:00−
閖上のさぐば×ペルーのカバリト 40分
閖上の木造小舟とペルーのアシ舟をつくる映像です。それぞれの手作業から、その土地の暮らしや背景が見えてきます。
『さぐば(short ver.)』
[撮影]林剛平
[撮影地]宮城県名取市閖上/南三陸町歌津、三陸沿岸
[撮影日]2016年5月−9月
[制作年]2018年
『アシ舟“カバリト”づくり』関連上映
[提供]エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ/公益財団法人 下中記念財団
[撮影地]北ペルー、西海岸
[撮影日]1962年
※上映後、イベントがあります。 登壇:林剛平×上原啓五
→イベント詳細はこちら
12:40−
『2011おんがく①』* 5分
「2011年 思い出の音楽を教えてください」。2017年に開催された音楽フェス「APPI JAZZY SPORT」の会場内にて問いかけを実施し、付箋に書かれたことを声に起こしました。聞きとりは今後もさまざまな場所で継続予定です。
[制作]濱田直樹(うぶこえプロジェクト)
[付箋記録]岩手県安比高原
[撮影地]宮城県仙台市
[制作年]2017年
12:45−
『Perfect world』関連上映 11分
3.11から約二週間後の仙台市荒浜、津波で全壊した家の西側に、リビングに置かれていたピアノの無残な姿を見つけた。欠けてしまった鍵盤にピアノを弾く映像を投影することで、失われたものの回復を試みたインスタレーション作品の記録映像です。
[制作]佐藤那美(音楽家)
[撮影地]宮城県仙台市若林区荒浜/山形県山形市
[撮影日]2011年3月27日、12月
[制作年]2018年
12:56−
『今日は市バスに乗って、荒浜へ』 45分
震災前は市営バスの終点停留所があった仙台市荒浜の深沼海岸。2016年冬、一台の市営バスが5年9ヶ月ぶりに海岸前に到着しました。これからも海辺のまちに人びとが行き交いますように。人も思いも満員に詰め込んだバスが、仙台駅から終点へと向かう道のりの記録映像です。
[企画]3.11オモイデアーカイブ+佐竹真紀子
[撮影]酒井耕/佐藤正実/佐藤泰/わすれン!
[編集]田中裕介
[撮影地]宮城県仙台市
[撮影日]2016年12月11日
[制作年]2018年
14:00−
『遠会−女川身辺雑記−までの記録』 20分
関西に住む私達は、偶然足を運ぶことになった宮城県女川町の人びとや場所、出来事を長期的に映像で記録/上映する活動を2016年より始めました。今回は昨年開催した一回目の上映会までの活動を知っていただこうと本上映に参加しました。
[撮影・編集]HACCA−薄荷−(今尾拓真/寺嶋剣吾)
[撮影地]宮城県女川町
[撮影日]2016年−2017年
[制作年]2018年
14:40−
『民話と震災体験(亘理郡山元町の庄司アイの語り[4]より)』* 30分
定年退職後、みやぎ民話の会と出会い採訪活動を始めた庄司アイさん。東日本大震災では山元町で被災。津波に流されながら、今まで民話で聞いてきた事が「みんなあったることだった」と実感する。彼女が震災体験を経て語る、民話を語り継ぐということについての記録です。
[制作]みやぎ民話の会「民話 声の図書室」プロジェクトチーム
[撮影・編集]福原悠介
[撮影]酒井耕
[撮影地]宮城県角田市
[撮影日]2016年8月8日
[制作年]2018年
15:50−
『互盆松鹿樂』 3分
2016年5月、土地の物語りを伝え挑戦する必要性を表現する為に創造の聖地である巨石「五本松」から生み出した闇の舞「五本松神楽」。翌年封印し、2017年5月に新たに光の舞「互盆松鹿樂」を展開。いよいよ幕が上がる。世界を視野に入れてさらなる高みへと進む。
[制作・演出]佐藤徳政
[撮影・編集]長崎由幹
[撮影地]岩手県陸前高田市高田町
[撮影日]2017年4月16日
[制作年]2018年
15:53−
『超絶祭2017−1次会「互行乃儀」』 15分
2017年5月、子供の日に想いを寄せて…。嵩上げが進む陸前高田、創造の聖地である巨石「五本松」をモチーフにした御輿を担いで練り歩く。今しか感じる事が出来ない時間を、噛み締めながら「互盆松鹿樂」と共に。鯉が昇龍と成り、かけがえのない空間の演出映像です。
[制作・演出]佐藤徳政
[撮影・編集]長崎由幹
[撮影地]岩手県陸前高田市高田町
[撮影日]2017年5月3日
[制作年]2018年
16:25−
『新しい庭』* 30分
震災による地滑り被害で多くの住民が去った仙台市青葉区中山。たくさんの思い出の残る地に住み続けたいと自宅の再建を決意した記録者は、仙台では一般住宅に適用されたことのなかったアンダーピニング工法を用います。2011年の震災発生直後から2015年まで、再建工事とその後の生活までを記録した映像です。
[制作]末武保政/末武二三子
[撮影地]宮城県仙台市青葉区中山
[撮影日]2011年−2015年
[制作年]2018年
17:15−
『根をほぐす』 18分
種苗店を営む佐藤貞一さんは、津波で自宅と店舗を失い、その跡地に自力でプレハブを建て営業を再開した。2016年、高台へ店を新設するため、震災後に続けてきた店舗を自らの手で解体していく。2013年から続けていた佐藤さんの記録の一編です。
[制作]小森はるか
[撮影地]岩手県陸前高田市
[撮影日]2016年6月
[制作年]2018年
※上映後、イベントがあります。 登壇:小森はるか×佐藤研吾×成瀬正憲
→イベント詳細はこちら
17:33−
『In-Field Studioの試み−大地からHumanityを組み立て直す−』 20分
詩人R・タゴールが「人間性の恢復」を求めて学校を創設したインド東部シャンティニケタン。2017年この村で、建築家 佐藤研吾が国際建築学校In-Field Studioを主催し民家の再建作業などの試みが行われました。人の手の届く範囲の営みから、復興や復旧について考えるきっかけとなる記録です。
[撮影・編集]林剛平/はしもとさゆり/佐藤研吾/In-Field Studio
[撮影地]インド、シャンティニケタン
[制作年]2018年
※上映後、イベントがあります。 登壇:小森はるか×佐藤研吾×成瀬正憲
→イベント詳細はこちら
2/25(日)
10:00−
『小国春熊猟2017』 100分
小国には春熊猟がある。3.11後、放射能の有無を調べるだけでは何か大事なものを見落とすのでは?と感じた研究者が、東北山間部の山衆の技術・知識の伝承の記録を試みる。昨年の「歩く、捌く、背負ってきて食べる」に引き続き、「見たものを言葉と身振りで伝える」映像です。
[撮影]林剛平
[撮影地]山形県小国町
[制作年]2018年
12:40−
『福島の光景+β』 9分
2013年の『福島の光景』の撮影日から、4年後の2017年、撮影した場所はどのように変わっているのだろうか。SEに合わせて、震災後の新聞記事から引用した二文字の言葉の朗読と合わせた映像です。
[監督]岩崎孝正
[朗読]きくちゆき
[撮影地]福島県鹿島区烏崎、小高区村上海岸、富岡町、楢葉町、飯舘村、川俣町、葛尾村、田村市、浪江町
[撮影日]2013年−2017年
[制作年]2017年
13:05−
『バンテジーから3.11後の東北へ』* 54分
インド仏教の最高指導者、佐々井秀嶺上人のことをナグプールの人々はバンテジーと呼ぶ。2017年3月11日の満月の夜、震災から二ヶ月後の日本を訪れた際の話と、東北の地に向けてのメッセージをバンテジーに聞きました。
[撮影]林剛平
[撮影地]インド、ナグプール
[撮影日]2017年3月11日
[制作年]2018年
14:15−
『小さな藍祭り』 30分
3.11後の農を模索する中で、藍作り、道具作り、場所作りなど活動の広がりを持ち始めた歓藍社が、「道具の発見」と「協同作業」がテーマの夏祭りを開催しました。大玉村で生まれたゴロゴロ染めやファッションショーなど、一緒に藍を育てたくなる記録です。
[撮影]林剛平/鈴木英怜那/歓藍社
[撮影地]福島県大玉村
[制作年]2018年
15:00−
『Tango Karamarito』 69分
世界の中の小さな列島日本。そこで起こった震災は、日本国外に暮らす人々に何を問いかけたのでしょうか。震災後の日本と関わり続ける人達の言葉と彼らが恋うJapanの風景を拾い集めてみました。
[監督]yako KIMURA
[撮影地]イタリア、ベネチア/アメリカ、サンディエゴ/フランス、パリ、ナルボンヌ、トゥールーズ
[撮影日]2013年8月23日、9月21日、10月15日−21日
[制作年]2014年
16:30−
『福島県立相馬高校放送局制作映像作品(緊急時避難準備不要区域より/Girls Life in Soma/相馬高校から未来へ)』 25分
※『緊急時避難準備不要区域より』は音声ドキュメント作品です
相馬高校放送局は震災直後から作品を継続的に制作してきました。震災に対してその年ごとに抱いた思いを、大人の介入なしに作品にしています。震災時に福島県の高校生がどんな感情を抱いていたのかがよく伝わるという評価を多くの方にいただいています。
[監督・撮影・編集]福島県立相馬高校放送局
[撮影地]福島県相馬市、福島市/宮城県仙台市/北海道札幌市/東京都内/長崎県長崎市/熊本県水俣市
[制作年]2011年/2012年/2013年
※上映後、イベントがあります。 登壇:佐藤千穂×ルカ・リュ×渡部義弘
→イベント詳細はこちら
16:55−
『FUKUSHIMA: The silent voices』関連上映 58分
福島第一原子力発電所の放射能事故から4年。福島市に住む作者の家族は穏やかな日常を再び取り戻したようでした。一方で、家族間での放射能汚染の話題はタブー化していました。フランスに住む作者は、もう一度家族とこの放射能事故について語り合いたいと故郷へ向かいました。
[監督・編集・ナレーション・制作]佐藤千穂
[監督・撮影・録音・制作]ルカ・リュ
[制作会社]Nautéin Prod
[音響効果] ジョン=バティス・サブ
[音楽] ディディエ・デゥコ
[アニメーション] コランタン・マッソン
[撮影地]福島県福島市
[撮影日]2015年2月−3月、11月−12月/2016年1月
[制作年]2017年
※上映後、イベントがあります。 登壇:佐藤千穂×ルカ・リュ×渡部義弘
→イベント詳細はこちら
〈 イベント 〉
2/24(土) アフタートーク
上映後、わすれン!参加者とゲストの方々によるトークを行います
10:00− 閖上のさぐば×ペルーのカバリト
林剛平(歓藍社)
原発事故調査の際に見る、東北各地での景色や食文化、手仕事の記録を始める。福島県大玉村にて、震災後の里山を探求する歓藍社を仲間と起ち上げる。2016年よりわすれン!に参加。2017年、自身撮影の記録映像『小国春熊猟2016』が山形国際ドキュメンタリー映画祭にて上映される。
上原啓五(ランドスケープアーキテクト)
1948年青森県生まれ。技術士(都市および地方計画)。(株)作庭舎代表取締役。貞山運河研究所理事。庭園、公園、まちづくりを歴史や伝統を大切に、先人たちへの敬意を払いながら、世界中の建築やアートを積極的に解釈し、感性を刺激する固有のデザインを行っている。仕事:円通院、天守閣自然公園など。
17:15− 『根をほぐす』+『In-Field Studioの試み−大地からHumanityを組み立て直す−』
小森はるか(映像作家)
東北で暮らす方たちのことばを残し伝えたいという思いから被災地の映像記録をはじめる。2011年よりわすれン!に参加。2012年より画家で作家の瀬尾夏美とともに岩手県陸前高田市に移住。2015年からは仙台を拠点とし、一般社団法人NOOKを仲間と起ち上げる。2017年、監督作『息の跡』が劇場公開される。
佐藤研吾(建築家/歓藍社)
インド・ベンガル地方で工作を通して大地と人間生活の関係を探求する国際建築学校In-Field Studioを主宰。東京では建築設計を生業とする傍ら、江戸−明治の時代の転換期の都市における動物と空地そして社会システムの連関を研究。福島県大玉村で藍の栽培と染めの作業から震災後の里山の風景を描く歓藍社を仲間と起ち上げる。
進行:成瀬正憲(山伏/日知舎)
2009年より山形県鶴岡市在住。出羽三山で山伏修行を重ねながら、山麓住民に採集文化や手工芸の技法を学び、自ら制作・流通事業を行い、土地の文化の今日的展開を探求する日知舎を運営。知的生産を地域化させ、人間的なるものを異化させる活動を行っている。
2/25(日) 対話の場「相馬クロニクルダイアログ」
シアターでの上映後、プロジェクトルームへ場所を移してゲストと来場者を交えての対話を行います
16:30− 『福島県立相馬高校放送局制作映像作品』+『FUKUSHIMA: The silent voices』
佐藤千穂(映像作家)
1985年福島県福島市生まれ。2007年から映像プロダクションに勤務。2010年に渡仏。映像プロダクションやコーディネート会社に籍を置き、ビデオや番組制作に参加する。現在は帰国し、同士であり夫のルカ・リュとタッグを組み制作活動を続ける。フランス社会と日本社会のギャップにインスパイアされ創作する。
ルカ・リュ(映像作家・カメラマン)
フリーランスとして60を越える映像作品に監督、カメラマン、照明、撮影監督、グラフィストなど、様々な職種で関わる。2008年にフランスからニューヨークへ渡り、スーザン・バトソンからアクティングのコーチングを受ける。現在は若手俳優の育成にも力を注ぐ。2013年、映像プロダクションNautéin Prodを仲間と起ち上げる。
進行:渡部義弘(相馬クロニクル)
2015年より相馬クロニクルを起ち上げ、相馬高校放送局の映像作品上映会を全国各地で開く。2017年よりわすれン!参加。対話の場「相馬クロニクルダイアログ」を本上映室より開始。高校生によってつくられた相馬高校放送局の映像作品に込められた想いから、原発事故や人々の暮らしについて考え、その声を残す活動を行っている。
[*]震災体験を語り直す映像が含まれています
[関連上映]本上映室の趣旨に関連する映像です
[※託児あり]のついているプログラムでは託児サービスを行います。
受付・託児場所:2階託児室(申込不要、直接お越し下さい)
受付時間:各回ともに30分前より
定員:6名(先着順)※乳児が多い場合は受け入れ可能人数が定員よりも少なくなる場合があります
対象年齢:生後6ヶ月〜未就学児まで
持ち物:着替え、替えのおむつと持ち帰り用ビニール袋(おむつ使用の方のみ)、
ミルク・お湯(授乳中の方のみ)、マグ
・当日、体調の悪いお子様はお預かりできません
・プログラム終了後はすみやかにお子様のお迎えをお願いします
※スケジュールや内容は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
問い合わせ
3がつ11にちをわすれないためにセンター(せんだいメディアテーク)
〒980-0821 仙台市青葉区春日町2-1
tel 022-713-4483 fax 022-713-4482
mail office@smt.city.sendai.jp
主催:せんだいメディアテーク http://www.smt.jp
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「星空と路」会場風景