制作者のコメント:
2022年夏、鈍行列車で各地を旅した際の映像に、道中で書かれた旅日記の朗読をのせたシネ・エッセイ。仙台を出発して、福島、三里塚、広島、水俣など、かつて映画=記録でみた土地をめぐりながら、変わってゆく人と記録の関係に思いをはせた「記録についての記録」。
制作:
福原悠介
朗読:
佐藤ゆか、皆木大知
音楽:
皆木大知
撮影年月日・撮影地:
2022年6月16日-7月7日(宮城県仙台市、福島県いわき市、千葉県柏市、千葉県成田市、静岡県熱海市、愛知県名古屋市、広島県福山市、広島県尾道市、広島県広島市、山口県山口市、福岡県北九州市、福島県双葉郡双葉町、大分県玖珠郡九重町、熊本県水俣市、岡山県倉敷市、岡山県瀬戸内市、大阪府大阪市北区、新潟県上越市)
収録:
60分
制作年:
2023年
【視聴者のこえ】
・私的な日記と映像がこんなに自分の心の中をめぐるとは思いませんでした。「わすれン」の中にあって良い、あるべき記録だと思いました。(2023年3月上映会)
・淡々とした記録的な描写でありながら、映画のような雰囲気もあり、ふしぎにわくわくする作品でした。広島の資料館のビデオ内で、ほぼノーカットで言い淀む瞬間なども残していることにより、編集をした映像よりも伝わってくるものが多い……というような映像内の言葉に、たしかに、と思いました。キロクすることについての考察のキロク、のような……。(2023年3月上映会)
・広島の被爆者自身ではなく、伝承をきいた人が語り継ごうとする人の話が興味深かったです。体験した人の人生を引き継いでいるということとか、いいよどみや「間」も含めての臨場感の話とか、水俣で言っていた「映像に音楽を被せると……」のくだりも印象的でした。(2023年3月上映会)
・過去の記録と3.11の記録とを重ねて考える時、全てに共通する物語りは大切な事実なので、過去から未来へと繫がり、やはり貴重な記録として残してください。永年生きてきてこのような機会に遭遇するのも良いと感じました。(2023年3月上映会)
・わすれン!の記録もお地蔵さんのようになっていくという話を聞いて、物として見せる1階の展示のことを思い出しました。物として手に取って見ることができるのは大事だなと思いました。1日1ショットの映像が日記に添えられたスケッチのような軽さもありながら少しずつ変わる風景にじっと見入ってしまいました。この作品によってわすれン!に参加する人のそうがぐっと広がりそうですね。(2023年3月上映会)
・記録=お地蔵さんの発想、とても良いと思います。お地蔵さんを作らなければならない(でいられない)思い、その前に立った人が思わず手を合わせる行為、いつまでも残る存在、お地蔵さん自身が人を好きなのです。そんな記録であってほしいですね。(2023年3月上映会)
本作品は、せんだいメディアテーク2階の映像音響ライブラリーにて、貸出・視聴サービスをご利用いただけます。DVDの貸出状況のご確認には、仙台市図書館ウェブサイトの資料検索をご利用ください。
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