制作者のコメント:
震災当時、足を運ぶことができなかった故郷・仙台市若林区。4年半が経った2015年9月、大遅刻で、ようやく現地入り。そして荒浜へ。残されていたのは更地。なすすべもなく、ただひたすら歩きながらビデオカメラをまわした。メディアからの情報を見聞きしても現実に触れているとは一切言えず、自分の目と足を使って実際の土地を歩きたかった。当事者とも非当事者とも言えない宙に浮いたような立ち位置で、関わり方が分からず、ずっと息をするところの根本に、変な突っかかりを感じていた。何か微弱でもいいからアウトプットしたい気持ちと、意味のあることを語る資格はない、自分ごととして語るにはおこがましい気持ちから、語の意味を脱臼した【脱臼語】をつくりだした。そして、あえて言葉にならない言葉を、自分の足で歩いて撮った映像にのせてガシャガシャな歩行映像をまとめてみた。ただひたすら歩く自分なりの喪の仕事だった。
制作:
宙崎抽太郎(ちゅうざき・ちゅうたろう)
撮影年月日・撮影地:
2015年9月(宮城県仙台市若林区荒浜)
収録:
15分
制作年:
2021年
※このDVDには添付資料として、『「参佰拾壱歩の道奥経」における「自作経 脱臼語」縁起』というテキストが封入されています。
本作品は、せんだいメディアテーク2階の映像音響ライブラリーにて、貸出・視聴サービスをご利用いただけます。DVDの貸出状況のご確認には、仙台市図書館ウェブサイトの資料検索をご利用ください。
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