あるアルバイトで最近知り合いになったという、こずえさんとひらまさん。
震災当日は、仙台市内でそれぞれ被災。今回は、録音小屋での会話を3つに分けて紹介します。
1本目では震災当日のふたりの体験について、2本目では震災前と変わった感覚や生き方について、そして3本目には震災を通してわかりあえないと感じたことについて語っています。(*3本目は近日公開の予定)
2本目のこの会話では、「震災前と変わったことはありますか?」という質問をきっかけに話が進みます。
前半では原発事故に対して率直に感じた恐怖心、そして放射能に対するメディアや周囲の反応への違和感が語られます。差別になるのではないかと、放射能への恐怖や疑問を口にできなかった当時の状況、そして、放射能は大丈夫だというメディアの報道から「何が本当なのかわからなくなった」といいます。
そして後半部分では、こずえさんの生き方の変化に話が移りました。震災前はどちらかというと現実的だったというこずえさん。震災を経て感じた、人生は一度きりという意識や放射能への怖れなどから、いつどうなるかわからないと強く感じることに。そして、「自分の本当にやりたいことを挑戦しよう」というふうに思えたと言います。それに同意するようにひらまさんからも「保守的にならなくなった(中略)やらなきゃ損だなって思った」という言葉が出てきました。
こずえさん:宮城県亘理郡山元町、30代
ひらまさん:宮城県岩沼市、30代
このお話が録音された日:2019年4月17日
【このお話のなかで出てきた言葉】
河北新聞:河北新報のこと。河北新報は、宮城県仙台市に本社を置く河北新報社が発行する日刊新聞
船岡(ふなおか):宮城県柴田郡柴田町の南部に位置する町。仙台都市圏のベッドタウンでもある
【わすれン!録音小屋とは】
当時のこと、そこからの暮らし、いまの気持ち。これまで聞けなかったこと、話したかったこと。あなたの家族や友人などに聞いてみませんか。話し手と聞き手のふたりひと組で、録音して残し、後世に伝えていくプロジェクトです。詳しくはこちら
*この記事は、録音されたお話をわすれン!スタッフが編集したものです。