今回お話してくれたのは、同じ職場で働くAさんとBさん。
ふたりは会話の途中で、聞き手と話し手の役割を交代し、お互いの震災経験や考えなどたくさんのことを聞きあっています。 この記事では、Bさんが聞き手となり引き出された、Aさんのお話を紹介していきます。
(Bさんのお話はこちらです→前半/後半)
職場で震災にあい、皆が混乱するなか歩いて帰宅したというAさん。電気がつかない、お風呂に入れない、電車も動かない、というライフラインがない状況が一番つらかったと言います。
そんな経験をしたことで、それまでテレビでしか知り得なかった、他の災害や様々な状況で苦しむ人びとが、どういう思いをしているかを考えるようになりました。そして、困っている人がいたら手を差し伸べてあげようと、素直に思えるようになったと、震災前との変化を思い起こしています。
また、どんな小さなことでも誰かの助けになっていることも、震災のなかで実感したことだと言います。困った時に「助けて」と言えたり、お互いを思い遣られたりする関係性を、日頃から築く大切さについて考えるようになったようです。
さらにAさんは、家族の存在が大事になったと話してくれました。震災から8年経った今も、3月11日になると毎年、お姉さんから「今日も生きててくれてありがとう」というメッセージが届くというエピソードに、びっくりされる聞き手のBさん。Aさんのお姉さんにとって3月11日は、Aさんが生き延びてくれた記念の日なのかもしれません。
話し手:女性Aさん
聞き手:女性Bさん
このお話が録音された日:2019年3月13日
【わすれン!録音小屋とは】
当時のこと、そこからの暮らし、いまの気持ち。これまで聞けなかったこと、話したかったこと。あなたの家族や友人などに聞いてみませんか。話し手と聞き手のふたりひと組で、録音して残し、後世に伝えていくプロジェクトです。詳しくはこちら
*この記事は、録音されたお話をわすれン!スタッフが編集したものです。